タイトル
なにわの食い意地が生んだ刃物
著者 / 話者
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なにわの食い意地が生んだ刃物

源昭忠青鋼DX(デラックス)河豚引
尺:270mm(9寸)
製造:水野鍛錬所
価格:42,000円

「この毒魚、ごっつウマいんやけどなあ」。大阪の食いしん坊は、悶々としていた。フグは毒を取っても、身は簡単には噛み切れないくらいしっかりしている。でもうま味は豊富、滋養もいっぱい。そこで「身が透けるくらい、薄く切る」ための道具が堺の鍛冶・水野鍛錬所で作りだされた。

刺身庖丁を、鉄がしなるくらいに、薄く鍛造したフグ造り専用の庖丁。おかげで最高のフグ刺しがぼくたちの胃袋においしく届くことになった。関西では「てっさ」。透けるくらいの薄い刺身を盛りつけようと、はなやかな柄の大皿も好まれてゆく。瀬戸内海の東の突き当たり「堺」でフグ引きが生まれたのは、地理的には必然、だけど文化的にミラクルだ。よくぞあきらめずにこのグルメな刃物を! 大阪のおそろしい食欲に、おおきにありがと。