タイトル
撃たれても大丈夫なのは、クモのおかげ?ヤギのおかげ?
著者 / 話者
Jalila Essaidi

撃たれても大丈夫なのは、クモのおかげ?ヤギのおかげ?

  • '2.6g 329m/s' by Jalila Essaidi
    (C)Jalila Essaidi

皮膚組織の厚み:平均0.6mm
成功時の弾丸の早さ:170m/s(テスト時の最高速度)
失敗時の弾丸の早さ:329m/s *

「防弾の皮膚」。これはフィクションではない。
我々の目の前につきつけられた事実だ。この皮膚は、標準的な防弾チョッキが防げる弾丸の重さと速度から、「2.6g 329m/s」と名付けられたJailia Essaidi氏のプロジェクトである。

画像は、遺伝子操作したヤギの中で生成されたクモの糸を、分別された人間の皮膚組織にインプラントし、その皮膚組織に向かって実験の銃弾を打ち込む様子を、60,000fps(秒あたりフレーム)の超高速カメラを用いて撮影したもの。残念ながら、329m/sで発された2.6g銃弾は、ここで生成された膜状の皮膚をかろうじて貫通してしまう。しかし、もう少しだけ遅い銃弾であればその皮膚は弾丸を跳ね返すようになるとのこと。

これは、シンセティックバイオロジーを用いたアート実験でもあり、SFへのオマージュでもあり、あるいは社会への問題提起でもある。単純に物理的になにが可能かということと、我々がや法や文化をどう決定していくかという問題が別であることを、だれもが直感的に感じることができるだろう。

物作りの非連続な発展は、科学の着実な積み重ねと想像力のぶつかるところから、生まれる。