タイトル
パターン・ランゲージ3.0は社会のバージョンアップを目指す
著者 / 話者

パターン・ランゲージ3.0は社会のバージョンアップを目指す
~慶應義塾大学SFC・井庭崇インタビュー~
聞き手:大島遼(プログラマー)、林 好文(博報堂)

1.0から、2.0、そして3.0へ。
創造的な社会をつくるための方法論「パターン・ランゲージ」を進化させてしまった慶應大学SFC井庭先生へのロングインタビューを行った。

パターン・ランゲージに至るまで
〇大島
本日はよろしくお願い致します。今回は、井庭先生がやっていらっしゃるパターン・ランゲージ 3.0についてお聞きできればと思います。パターン・ランゲージは社会の根本に関わる、広い意味でのテクノロジーだと思うんですね。井庭先生は、理論だけではなく、それをメジャーバージョンアップして実際に世に出していって、社会に実装している点でも特異な研究者だと思うのですけれども、その実践者として、井庭先生の今までの研究と、バージョンアップ全般に対して思うことに関して、お話を伺えたらなというふうに思っています。
 まず簡単に、井庭先生がここに至るまで、どういう興味の変遷を経てパターン・ランゲージ3.0に至ったのかというのをお伺いできれば。

〇井庭
パターン・ランゲージの研究に入った経緯と興味の角度を知っていただくために、だいぶ遡ってお話をしたいと思います。小学生のときに映画『スターウォーズ』を見て以来、映画監督になりたいと思っていました。僕が好きな映画というのは、普段の生活の中にちょっとSF的な要素が入っていて、普段とは違う「ものの見え方」がして、「そうそう、人間ってそうだよね」というのがかいま見られるようなものでした。芸術表現としての映画ではなく、そういう気づきを与えてくれるものにすごく興味があって、そういうのをつくる映像作家になりたいと思っていたのです。ところが大学に入って、黎明期のワールド・ワイド・ウェブに出会って、すごくプリミティブなんだけど面白いインタラクションとか、とてもシンプルなんだけど人の心を動かすようなものがあるんだなぁ、と気づき始めたんです。そのシンプルなものや抽象的なものがもたらす感じ方や捉え方の変化には、独特なインパクトがあると思ったんですね。
そういう中で複雑系というシステム理論に出会ったんです。システム理論といっても機械的なシステムではなく、生命・知能・社会といったいきいきとしたシステムを扱うシステム理論で、それが非常におもしろくて、僕の中に驚きと物事の見方の変化をもたらしたのですね。それについてもう少し知りたいし、自分でもそういう概念をつくれたら面白いなと思って大学院に進みました。それで、修士の1年生のときに『複雑系入門』という本を書きました。
その後、生命・知能・社会のうちでも、僕は社会やコミュニケーションのことについて考えていきたいなと思って、博士課程に進みます。そこでは、コンピュータ・シミュレーションによって複雑な社会現象のダイナミクスを理解するという研究、特にそういうことをやりたい人を支援する方法や道具をつくるという研究をやりました。大体20代はそういう研究をして過ごしました。

そうしてやってくると、シミュレーションによってたしかに見えてくることはあるのですが、本当に新しいものが生まれてくるクリエイティブな飛躍というものはコンピュータの中では生まれないんだなぁ、ということが気になり始めました。プログラムされた世界なので、当たり前といえば当たり前なのですが。それで、そういう創造的なプロセスについてもっと本質的に迫ってみたいと思って、創造性の研究に対する興味へとつながってきます。

その一方で、システム理論やモデリング、ネットワーク分析の研究をしていたということも、僕がパターン・ランゲージに取り組むことにつながっています。それらの研究では、具体的なレベルでは一見すると違うもの同士が、抽象化して見ると実は同じような構造や機能になっているということを解き明かす研究でした。それがパターン・ランゲージの抽象的なパターンや、その関係性の把握ということにつながってくるのですね。

システム理論というのは、抽象化された物事の捉え方なので、僕にとってはすごく面白くて、自分でも新しい理論をつくったりしてきました。でも、大学の授業でそういうことを扱っても、なかなかそういう抽象化して捉えるということが共有できません。自分で抽象化して捉えるということは難しいことなんだなぁということに行き当たります。抽象化しているからこそ違うもの同士の共通点が見えたり、アナロジーによって新しい発想につながったりするということがあるのに、抽象化すること自体の難しさによって、社会に浸透していかないというもどかしさがありました。

10年くらい前にパターン・ランゲージの研究に着手し始めて、自分でも本格的にパターン・ランゲージをつくって世の中に発表するということをし始めました。実際にやってみると、システム理論のように抽象的なレベルの捉え方にもかかわらず、結構みんな自分事として捉えてくれているのがわかってきて、そこがすごく面白くて。
 なので、パターン・ランゲージに至った経緯には、創造性の支援ということと、抽象的な思考の支援という二つがあったと思っています。そのときの経験や研究がすべて今のパターン・ランゲージの制作や展開に活きていますし、そういう経緯があるからこそ、パターン・ランゲージの分野でも普通とは違った発想ができるのかなと思っています。これが現在のパターン・ランゲージの研究に至るまでの経緯です。

○大島
 研究されていたニクラス・ルーマンの社会システム理論で、人と人とのコミュニケーションを要素としてモデル化してシステムをつくるのがすごく新鮮で、それが今回のパターン・ランゲージ 3.0にも何か非常に近しいところがあるように感じました。

○井庭
 そうですね。ルーマンの社会システム理論は面白くて、「社会とは何か」と問うたときに、その要素は人だという捉え方でなく、人と人との間に生じるコミュニケーションが要素だと捉えるんです。コミュニケーションが連鎖していくのが社会であると。例えば経済では、経済的なコミュニケーションとしての「支払い」が続いていく限りにおいては経済システムは動いている。 けれども、それが完全に止まってしまうと、経済システムは破綻したということになる。このように、社会とはコミュニケーションの連鎖である。コミュニケーションをデザインするということは、その連鎖のためのメディアをデザインするということである。ルーマンからは、その発想を得たことが大きいと思っています。

それと同時に、ルーマンは人の思考・心というものも、一つのシステムとして捉えています。心的システムと言うのですけれども、意識がその要素になっています。思考・心では意識が連鎖していき、社会ではコミュニケーションが連鎖していく。その間を取り持つのが「言語」です。言語が意識の連鎖におけるある種の水路づけをし、コミュニケーションの連鎖の下支えもしている。そういう機能をもった言語をつくるということが、パターン・ランゲージをつくるということである。このように、僕がパターン・ランゲージを理解するときには、いつもルーマンの社会システム理論がベースにあります。そういうところが、パターン・ランゲージのまったく異なる展開の発想につながっていると思います。

パターン・ランゲージ3.0とは
〇大島
パターン・ランゲージの歴史と、その中パターン・ランゲージ3.0がどのようなものか教えてください。

〇井庭
僕が「パターン・ランゲージ3.0」と呼んでいるものは、人間行為のパターン・ランゲージのことです。3.0というのは、その前に1.0や2.0があることを意味しています。1.0が建築のデザインで、2.0がソフトウェアのデザインです。その新しい展開として、僕は3.0が人間行為のデザインだと捉えています。
 パターン・ランゲージというのは、もともと1970年代後半に建築分野で提案された知の共有方法です。クリストファー・アレグザンダーという人が、いきいきとした古きよき質感を持ったまちをどうやったら生み出すことができるのかを考えたんです。それはモダンな建築で人間性を排除するのではなく、人間的にすごく居心地がよくて、自分たちもコミュニティもいきいきするようなまちを、どうやったらつくることができるのか。単に昔に戻るわけではなく、その質感をどう「生み出す」ことができるのか。そのためにはデザインの支援が必要だということで、デザインの発想や知恵をパターン・ランゲージという形式でまとめたんです。
 パターン・ランゲージの各パターンは、どういう「状況」でどういう「問題」が生じやすく、それをどう「解決」すればよいのかが書かれていて、それに名前がつけられています。アレグザンダーは、いきいきとしたまちをつくるための253個のパターンを書きました。彼は、これを住民参加のための方法として考えたんです。住民参加型でまちづくりをしようと思っても、なかなか素人は要求を言うことくらいしかできないで、デザインのプロセスに入るのは難しいことです。そこで、建築家がもつ発想や知恵を共有することで、一緒に話し合ってデザインができるようにしようと考えたわけです。
 この考え方はたしかにインパクトがあったのですが、建築の分野ではそれほど普及しませんでした。でも、10年ぐらいたってから、ソフトウェアの分野に応用されて、デザイン・パターンというかたちで有名になりました。GoF(Gang of Four)本と呼ばれている『デザイン・パターン』という本があるのですが、それが世界的に有名になり、その考えも知られるようになったのです。

その後、 開発組織や組織変革のパターン・ランゲージというようなものも登場するようになります。組織変革のやり方をアメリカの女性2人がパターン・ランゲージのかたちでまとめた『Fearless Change』という本は、僕らがつくっているパターン・ランゲージに近いものがあり、とても参考になりました。 あとは、教育の教授法のパターン・ランゲージであるペタゴジカル・パターンというものもあります。
僕が最初に人間行為のパターン・ランゲージをつくるのに関わったのは、8年ほど前のことです。その前にも、僕はシミュレーションのためのモデリングのコツをまとめたパターン・ランゲージをつくってはいましたが、人間行為のパターン・ランゲージはそのときが最初になります。当時僕の研究室にいたひとりの学生が、卒論で、体験学習の授業のファシリテーションの経験をパターン・ランゲージにまとめてみたいと言われ、それを指導しました。それがなかなか面白かったので、その後、研究活動のパターン・ランゲージやプロジェクト推進のためのパターン・ランゲージなどをつくってみたりしました。その過程のなかで思想的な面もだいぶ学び、5年前に本格的につくったのがラーニング・パターンです。
 そのとき僕はちょうど慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)のカリキュラム改定の委員をしていて、かなり自由度の高いカリキュラムをつくったときでした。そういうなかで学生を支援するというときに、自律的な学びの支援をする方法がないかと考えたときに、パターン・ランゲージのかたちで支援するというのがよいと考えました。こうして、創造的な学びのパターン・ランゲージである「ラーニング・パターン」(学習パターン)をつくることになります。当時僕の研究室にいた学生8人ぐらいと一緒につくりました。

その後に、これからのスキルで必要なのものということでつくったのが、『プレゼンテーション・パターン』です。創造的なプレゼンテーションをつくるためのパターン・ランゲージです。このときも井庭研究室のメンバーと一緒につくりました。前半は8人でつくり始め、後半は14人でつくりました。ごく最近では、同じようなやりかたで「コラボレーション・パターン」もつくりました。これは、創造的コラボレーションの秘訣を34個にまとめたものです。

これら、創造的な学び方と創造的なプレゼンテーションと創造的なコラボレーションが、これからの「創造社会」(クリエイティブ・ソサエティ)というものの基本スキルだと僕は考えています。自ら学んで成長しつつ、ほかの人と一緒にコラボレーションをして何かを生み出し、それを他の人に伝えて、創造性を刺激する。こういうことがまわっていくと、社会は非常に面白くなると思っていて、そうなるようにパターン・ランゲージをつくって支援しているんです。クリエイティビティというのは、マニュアルや手順で示して達成できるものじゃないと思うのですね。本人が自分のいろいろな感覚や経験を総動員しながらやっていくときに、こういうパターン・ランゲージのかたちが相応しいと思っているんです。

これらのパターン・ランゲージをつくっているときに、僕らはいったい何をつくっているんだろうか、ということを自問しました。建築で生まれ、ソフトウェアで広まった方法を、単に学びやプレゼンテーション、コラボレーションなど、いろいろと新しい領域に応用している、ということでは済まない気がしていました。それで、一度それまでの歴史を振り返って、自分たちの位置づけを定義しようと考えたのです。こうして、パターン・ランゲージ1.0、2.0、3.0という枠組みをつくりました。1.0は建築のパターンで、2.0がソフトウェアのパターンで、3.0が人間行為のパターンだと捉えると、とてもすっきりしたんです。
 その展開の段階に応じて、デザインということの特徴や使い方も変わってきていると考えました。建築の場合は、一度つくると、その事前/事後というものの区切りが明確ですが、ソフトウェアの場合にはこまめにバージョンアップをすることができます。そしてさらに人間行為の場合には、しようと思えばいつでもデザインができるし、デザインと実践がかなり密接になっています。どうやるかを決めて、実践してみて、そこでうまくいかなければ、どんどん修正ができる。そうなると、パターン・ランゲージのあり方も、人間行為のデザインを支援のためのものでは、重点が変わってきます。パターンを読んだときに、パッと発想を広げたり具体的なアクションにつながるようにするために、文章量を少なくして、わかりやすく、シンプルに、イメージで訴えるようにつくっています。
 1.0、2.0、3.0では、使い方の面でも変化があります。1.0の建築のときには、デザイナーとユーザー、つまり建築家と住民の断絶に橋渡しをしようとしてパターン・ ランゲージがつくられました。2.0のソフトウェアの世界では、そのスコープからユーザーがいなくなってしまって、熟達したデザイナーのノウハウを初心者が学ぶためのメディアとして使われていました。3.0の人間行為の段階では、いろいろな経験を持つ多様な人同士を結びつけるというメディアとして使っています。
このように、パターン・ランゲージ1.0、2.0、3.0では、対象となる領域が変わり、デザインの特徴が変わり、パターンの使い方も変わってきたのです。

ラーニング・パターン・ワークショップ
〇井庭
 最近はSFCに入学するとすぐ、総合政策学部と環境情報学部の全1年生、合わせて約900人が、ラーニング・パターンを使った対話のワークショップを受けています。これは、自分たちの学びについて振り返りつつ、これからの自分の学びについてのイメージを広げるためのものです。

ラーニング・パターンでは、創造的な学びのコツが40パターンあるのですが、学生はその冊子をパラパラと読んで、その中ですでに経験があるものに丸をつけていきます。それをすべてのパターンについて考えたら、今度は、あまり経験がない、つまり丸がついてないパターンのなかから、「これから取り入れたいパターン」を5つ選んでもらいます。そして、ワークショップでは、そのリストを持って会場を歩きまわり、「これから取り入れたいパターン」を経験している人を探します。このとき、ひとつだけルールがあって、それは「知らない人に話しかける」ということです。会場にいる知らない人に話しかけて、「『フィールドに飛び込む』の経験ありますか?」などと聞いてくんです。そうすると、「ないです」、「そうですか。じゃあ、『鳥の眼と虫の眼』の経験はありますか?」「ああ、それならあります。……のときの話なんですけど……」という感じで、経験者を見つけたら、その人のその具体的な話を聞くんですね。

「学び」といっても、いわゆる勉強に限らず、スポーツとか音楽とかいろいろな領域での学び・成長・スキルアップを含めて考えるということにしているので、出てくる話も、「高校のときにやっていたサッカーの部活で……」「文化祭で……」など、多岐にわたります。この対話ワークショップは、驚くほど盛り上がるんですよ。みんな楽しそうに話して、あっという間に1時間くらい経ってしまいます。

なぜ盛り上がるのかというと、みんな普段は「自分は学び方の達人ではないから、他の人にそういうことを語る価値はない・資格はない」と思っているのですが、このワークショップでは、自分にとって当たり前のことでも、その経験がない人にとってはとても貴重な情報になる、ということを体験するわけです。自分の経験談を聞いている相手が、一生懸命にメモをとりながら「なるほどぉ」と言って聞いてくれていると、語る方もつい熱が入ります。自分の経験についての話だから、何の準備も要らなくて、その場で即興的にバーッとしゃべることができるわけです。しかも、自分が語る側でもあり、聞く側でもある、という役割変化がワークショップのなかで何度も起きる。そこにあるのは、すごくフラットな関係で、お互いの多様な経験を語り合い、学び合うという姿です。こういったことを、パターン・ランゲージを用いて実現することができるのです。

このように、パターン・ランゲージを「語りのメディア」「対話のメディア」として使うということは、世界でもこれまでやられてきませんでした。僕らが5年ほど前にやり始めたのが最初です。これはすごく新しい使い方で、可能性を秘めていると思います。こういう使い方も、人間行為のパターン・ランゲージであるからこそ生まれたものだと思います。

去年、PLoP(プロップ)というパターン・ランゲージの伝統的な国際学会があって、そこで招待講演をしました。1時間、まさにいまお話ししたような「パターン・ランゲージ3.0」の話をして、好評価をいただきました。対象領域も新しく、使い方もつり方もとても新しくて面白い、と。パターン・ランゲージ1.0から3.0という枠組みができる前は、単なる「異端」なだけでしたが(笑)、ようやく専門的な方面でも認識され、評価されるようになりました。先日『プレゼンテーション・パターン』の本を出版しましたが、今年は専門家を超えてひろく一般の方にどう広がっていくのか、というのが楽しみです。

パターン・ランゲージ 3.0のつくり方①
~適度な抽象性と生成力
○大島
 「ラーニング・パターン」、「プレゼンテーション・パターン」を読んで、そのパターンの抽象度がひとつの特徴だと思ったのですが、その設定方法や、パターンランゲージ3.0をつくるプロセス全般について伺いたいです。

○井庭
 たしかに、記述の抽象度は絶妙なラインを狙っているつもりです。アレグザンダーの建築のパターンでは、写真やスケッチが入っていてもっと具体的です。それと比べて、僕らのつくるパターン・ランゲージは抽象的過ぎると感じる人もたまにいるようですが、僕からすると、パターン・ランゲージ3.0の使い方を考えると、記述を厚くするというよりは、「スキマをつくる」ようにうまくシンプルに書く方がよいと思っています。体験についての話は書かれたものを読むよりも、目の前にいる人の経験を聞く方が、よりリアルに感じられると考えると思うからです。現在の抽象度は、「ラーニング・パターン」をつくったときに模索した結果です。
 パターンは、単にコツが記述されているだけでなく、「生成的」(generative)かどうか、つまり読んで発想やイメージが広がったり、行動を誘発することができるかが重要です。建築やソフトウェアのパターン・ランゲージで、細かく具体的に説明を書いた時代とは違う使い方をするので、書き方もそれに合わせているとも言えます。そういう意味では、歌の歌詞をつくるとか、広告のコピーを書くというのに近いと思うのです。だから、研究室の学生にはそういう「広告の書き方」のような本を読むように勧めています。ビジュアルと言葉が出会ったときに、どういうふうにつくると生成的な表現になるのかを考えよう、とよく言っています。

パターン・ランゲージ 3.0のつくり方②
~みんなの経験を掘り起こす
 僕らがパターン・ランゲージをつくるときには、ホリスティック・マイニング(Holistic Mining)アプローチと僕が呼んでいる、独特の方法でつくっています。まず、エレメント・マイニング(Element Mining)といって、自分たちの経験を徹底的に掘り起こしていく段階があります。7~10人ぐらいで、自分たちの経験におけるコツをとにかくたくさん出していくんです。ブレイン・ストーミングの要領でどんどん挙げていきながら、大きめの付箋に書き出していくんです。そうやってできたたくさんの付箋を、KJ法の要領でいろいろ動かしながら、まとまりをつくっていくビジュアル・クラスタリング(Visual Clustering)をします。そうしてできたまとまりの一つひとつが、「パターンの種」になるのです。
 ラーニング・パターンのときも、プレゼンテーション・パターンのときも、コラボレーション・パターンのときも、経験を徹底的に掘り起こすときには、それらの概念を広い意味で捉えるようにしました。例えば、コラボレーションといっても、プロジェクト・ワークだけでなく、ダンスのステージをつくることも、サッカーの試合も、アルバイトでの仕事の経験もコラボレーションとして振り返ってみます。複数人で何らかの成果を生み出す取り組みを、広い意味でのコラボレーションであると捉えて、そのための秘訣について挙げていくんです。

最初のエレメント・マイニングでは、「コラボレーションでは、これは重要だ」ということ、特に「新しく後輩が入ってきたら、何が大切だと言うか」ということを挙げていきます。単にどこかで聞きかじっただけのことの受け売りにならないように、自分の経験の中から言うことにしています。頭ではわかっていても、なかなかうまくできないことや、一部の人になかなかわかってもらえないということを重視します。

そうやっていくと、大きな方針から小さなティップスまで、かなりの数が挙ります。コラボレーション・パターンをつくったときには、7時間かけて360個ほどの要素が出てきました。それを今度はビジュアル・クラスタリングによって、KJ法の要領で20時間くらいかけて要素のまとまりをつくりました。最終的には、一つひとつのまとまりには、3つから5つぐらいの経験が含まれることになり、それらを抽象化する土台ができます。

こういうプロセスの間は、どのフェーズでも、コツや経験について語られると、「あ~、それ、あるある!」となって、共感や賛同の声が上がります。その一方で、そういう発想や経験がなく「へぇ~、そうなんだ」と言う人もいます。その両方があるものこそ、パターンとして書く価値があるとと思っています。単なる一人の個人的なこだわりではなく、複数人に共感・賛同してもらえるコツである一方で、必ずしもそれが全員にとって当たり前ではないというものだからです。そんなふうにして、「パターンの種」をつくってから、パターンの執筆に入っていきます。これは全工程の2割ぐらいの段階です。あとは延々と、パターンの記述を書いては直し、書いては直し……の繰り返しです。その途中で全体像をつくったり、個々のパターンの位置づけを再考したりしながら、個々のパターンの内容と記述の修正をしていきます。今まで井庭研でつくってきたパターン・ランゲージはどれも、30~40パターンぐらいで構成されています。パターン数が多いものでも、50パターンぐらいにおさまっていて、そのくらいがちょうどよいと感じています。

〇大島
 パターンの粒度、大きさの設定は、井庭先生がほとんどコントロールしているのだと思うのですけれども、何か気をつけているところはありますか。

〇井庭
 パターンの粒度を揃えるというのは、重要な視点です。ホリスティック・マイニングのアプローチでは、ひとまずの全体像を踏まえた上で、それを切り分けてパターンをつくっていきます。それぞれをどのくらいの大きさにするのかを、その周囲を見ながら決めていくのです。そうであるからこそ、パターンの粒度を揃えることができるんです。ふつうに行われているアプローチは、全体像がわからないまま、パターンをとりあえず5~10個ぐらい書いてみるというやり方です。それは始めやすいアプローチではあるのですが、全体像が見えないままつくり始めると、全体のなかでどのような位置づけのパターンなのかがわからい上に、どのくらいの粒度や抽象度でまとめればよいかがわからないという難点があります。僕らのホリスティック・マイニングのアプローチでは、全体をつくってから切り分けていくので、抽象度や粒度の調整がしやすいというメリットがあります。それについては、いまの大島さんの指摘を始め、みなさんの反応からすると、うまくいっているのではないかと思いますね。

〇大島
 そういう意味ではプロセスから新しいというところがありますね。

〇井庭
 そうなんです。パターン・ランゲージのつくり方もつくる。そして、そのことも、昨年の国際学会の招待講演で高い評価をいただいた点です。

パターン・ランゲージ 3.0のつくり方③
~Generative Participant
〇林
 ビジュアル・クラスタリングのときに井庭先生は、「このまとめはちょっと違うんじゃない」みたいなことはおっしゃるんですか。

〇井庭
 言いますね。僕も1人の参加者として本気で言います。もちろん、学生にとっては僕は教員という立場にいる人なので、最初は強く意識してしまうのでしょうけれども、一緒にご飯に行ったりカラオケに行ったりして、打ち解けるような時間をたくさんつくって、フォーマルな関係性を崩すようにしています。

〇林
 その先生の努力もあってと。

〇井庭
 努力なのか、ただ仲良くしたいだけなのかはわかりませんが(笑)、基本的には、僕が学生に「この方がいいのでは」と言う一方で、学生も「先生、それは違うんじゃないですか」と言うようになります。僕は「つくる」ことを促進させ誘発していく役割を担う一人の参加者だという位置づけです。立場が違う指導者やファシリテーターではなく、あくまでも一人の参加者である。そういうのを僕は「生成的な参加者」(Generative Participant)と呼んでいます。活動の写真や映像を撮ったりしながら、生成的な参加者として、制作に携わります。

マニュアルとパターン・ランゲージの違い
〇井庭
 このパターン・ランゲージ3.0でやりたいのは、読者を大きなモデルにはめ込んだり、一つの枠組みにはめ込んだりすることではなく、今の自分をベースとしながら拡張・成長していくことを支援するということです。 なので、プレゼンテーション・パターンは34個ありますけど、それらを全部やっている人が素晴らしくて、少ない人はだめなのかというと、必ずしもそうではないと思っています。これらはあくまでもヒントであって、そこから自分がやりたいと思うものを取り入れていくことで成長することが大切なんです。
 なので、いわゆるなんとかメソッドとか、なんとかモデルというようなものに、自分を捨てて合わせていくのではなく、自分を成長させていくために取り入れることができるヒントなんです。個々人がいまの自分自身を肯定し、大切にしながら生きていくというこれからの時代にも、すごく合っていると思っています。そういうメディアとして、パターン・ランゲージをつくっていきたいと思うんですね。

〇大島
 プレゼンテーション・パターンを読んで、プレゼンテーションのメソッド集みたいなものと一番強く感じた違いは、モデルチェンジをするんじゃなくて、ビルドアップしていく感じで。そこはプレゼンテーション・パターンに限らず、パターン・ランゲージ3.0全体に言えることなのかなと思いました。断続的なイノベーションと言ったときに、それは受け手側の言葉な気がちょっとしていて、作り手側からすると、単なるバージョンアップ。さっき先生がおっしゃっていたように、自分の中にある文脈というか、外からは簡単には見えないけれど、内に地続きの歴史みたいなものが2つとか3つとかあるという人が、それを継続的にバージョンアップさせていった結果が一つのものになったときに、それは本人にとってはバージョンアップだけど、 外から見たときにイノベーションと言われるのかなと思ったんです。

〇井庭
 確かにそうですね。その意味で、自分のなかでの連続性がある一方で、結果を外からみると劇的に変わっているということがあるのだと思います。

〇林
 自己啓発本を何冊読んで自分を変える、というのが実際に難しかったり、誰々社長の成功伝とか読んでも、その人だけの経験なのでマネできない。そういう問題をパターン・ランゲージは解決しているような気がします。

〇井庭
 そうであるとうれしいです。というのは、それが抽象化で狙っているところでもあるからです。具体的なベスト・プラクティスをいくら聞いても、それを抽象化して捉え、自分に落として、違うバリエーションを発想して実践していくということは、結構ステップがあって難しいことだと思うのです。そのとき、パターン・ランゲージのように、「中空」の抽象度の概念があれば、具体例から抽象化をして、それをまた別の具体例を生み出す、ということを促進できると思っています。そうすれば、あとは、自分の状況においてはどうするのかを判断するだけになります。自分だったらこうするかな、というように具体化のところに注力できるようになります。
 先ほどお話しした対話ワークショップは、その練習にもなっているんですよ。 一回体験すれば、ふだんの生活でできるようになると思います。知らない人と語り合うことができたのだから、友達同士だってできるでしょう。そういう練習が、盛り上がった楽しい経験として各自の中に残るのですね。これは重要なことだと思います。

パターン・ランゲージ3.0をもっと社会へ
〇井庭
 最近、企業の方との共同研究でパターン・ランゲージをつくる機会やお誘いが増えています。その先駆けとなったのが「Generative Beauty Patterns」で、これは、カネボウ化粧品さんとの共同研究で、井庭研の女の子15人ぐらいが1年間かけてつくったものです。このプロジェクトでは、僕はまた先ほどとは異なる関わり方をしていて、ちょっと一歩引いたプロデューサーのような立ち位置でいました。大きな方向性やリソースのつなぎあわせはしますが、具体的なパターンの記述は任せます。このパターン・ランゲージは、20才前後の女の子たちが、パターンの内容も記述も写真もモデルも編集もデザインもすべて自分たちでやっています。

〇林
 美しいなって女性が思えるパターンといったものですか。

〇井庭
 これは「いきいきと美しく生きる」ためのパターン・ランゲージです。見た目のコーディネートの話もあれば、気持ちの調整などの内面的なところも含めた、いきいきと美しく生きるコツをまとめたものなのです。日常会話のなかで、具体的な人を指して「あの人素敵だよね」と言うときの「素敵」というのがどういうことなのかを、48個のパターンにブレイクダウンして言語化した、と言えばわかりやすいかもしれません。美の領域で、そういう中空の抽象度の言葉・概念をつくろうということです。「いきいきと美しく生きる」というままでは抽象度が高くてなかなか自分の生活とのつながりが見えないものですが、その間を埋めることができるレベルの言葉をつくったということです。

こういうものも含めて、これまでだいぶ経験を積んできたので、僕らがパターン・ランゲージをつくることはできるようになりました。なので今年からは、パターン・ランゲージをつくる人をつくる、つまり僕ら以外の人がパターン・ランゲージをつくることを支援していきます。その一貫で、企業の中で研修でパターン・ランゲージをつくるということをやったりもしています。
 その最初の事例が、大日本印刷(DNP)で僕らが行なったパターン・ランゲージ作成研修があります。30人弱の新人が、10年ぐらい上の先輩に業務のコツを聞きながら、それをパターン・ランゲージにしていくというものです。最終的には30パターンにまとめられました。それらをつくる過程でたくさんの対話が生まれ、そこでいろいろなことを学びます。
 どこの企業でも、先輩の話を聞くという研修はあると思いますが、単に話を聞くだけでは深い学びにつながりにくくすぐに流れていってしまいがちです。パターン・ランゲージ作成研修では、先輩にインタビューをして、聞き取ったものを少人数のチームでパターンとして書かなければならないので、能動的に話を聞くことになります。どのような「状況」でどのような「問題」が生じて、それをどう「解決」しているのかの情報を聞き出し、それに「名前」をつけるのです。それをチーム・メンバーと何度も話し合いながら、よいパターン記述になるように書き直していきます。さらに、それを他のチームに見せるというワークショップも行なうので、とにかくたくさんの対話が生まれます。このような研修自体が、今日冒頭でお話しした「コミュニケーションの連鎖」のデザインになっているということが言えます。
 そしてさらに素晴らしいことに、自分たちでつくったパターン・ランゲージは、自分たちの言葉として日常的に使うことができます。組織のなかでのひとつの共通言語になる可能性を持っているわけです。研修の最後には、自分たちのつくったパターン・ランゲージを用いた対話ワークショップを行ないます。その経験を通じて、自分たちがつくった言語によって新しい「コミュニケーションの連鎖」を誘発するという感覚を実感できます。毎年いろいろなテーマでパターン・ランゲージをつくっていくことで、組織内のナレッジがどんどん言語化されていき、それによって組織のムードや風土が変わっていくだろうと予想しています。これはあらゆる分野の企業やコミュニティ、地域などでも実践できる、新しいかたちの組織学習の方法だと言えるでしょう。

〇大島
 何か地下水脈を汲む井戸みたいなものですよね。人々の暮らしの中に脈々とある知恵みたいなものを状況と一緒にすくい上げる。

〇井庭
 そうですね。パターン・ランゲージというのは、状況・問題・解決というのがセットになっているわけですね。コツを話してもらうと、たいていソリューション、つまり「解決」の部分だけが強調されて終わってしまうことが多くあります。「自分はこうやったらよかった」とか「こうするとよいですよ」というように。あるいは、その組織内につくられた制度やルールというのも、形づくられたソリューションなのですが、それがどのような意図でつくられたのかはすぐに忘れ去られて、ソリューションだけが残るから、形骸化してしまったり、状況に合わなくなってしまうんです。
 だから、「それはどんな問題を解決しようとしているのか?」「その問題はいつ生じるのか?」ということを逆からたどっていき、最終的に、状況・問題・解決のセットが得られたら、それに名前をつけて、パターンにします。こうやってパターンをつくっていけば、組織内のいろいろな制度やルールの再設計にも活かすことができるようになります。

コミュニケーションからクリエイティブへ
~社会のバージョンアップが始まる~

〇林
 ちょっと話が飛ぶのですが、創造社会とおっしゃったときに、今の日本は創造社会になり切れていないという認識ですか。

〇井庭
 一部にその萌芽が見えていますが、まだまだこれからだと思っています。
 僕は時代の変化を3つのCで捉えていて、現在は、Consumptionの消費社会からCommunicatioinのコミュニケーション社会(狭義の情報社会)へと移った段階で、次に来るのが、Creationの「創造社会」(クリエイティブ・ソサエティ)だと言っているんです。つまり現代社会はほとんどがコミュニケーションをめぐることが重視されています。人々は日々コミュニケーションに関心をもち、多くの時間をコミュニケーションに割いている時代です。
 その前のインターネット以前の時代は、モノやサービスを消費することが生活・人生の豊かさを表していましたが、現在は、ソーシャルなつながりとそのネットワーク上でのコミュニケーションが豊かな生活・人生の象徴になります。これからの創造社会では、「つくる」ということが、豊さの本質になると考えます。企業における製造ということとは別に、個人の生活の中で、またパーソナルなつながりのなかで「つくる」ということが当たり前に行われることになる。

現在でも、オープンソース・ソフトウェア開発とか、イラスト画像や写真の投稿のように、一緒に何かをつくったり、つくったものを共有するということは起きていますが、まだまだインターネット上で扱いやすいものに限られていますし、それが社会的な変化にまでは至っていません。創造社会をより大きなスケールで捉えると、公文俊平先生が近代文明を軍事化、産業化、情報化という三段階で捉えているのですが、その情報化された《情報社会》の成熟期なのだということもできます。いま、インターネットによって情報社会におけるコミュニケーションの活性の段階が終わり、これから創造の活性の段階に入る、ということができると思うのです。

〇林
 次の生活の豊かさというのが何によるべきかというときに、それは個人単位でものを生み出したりすることというのがもっと広がったほうが豊かになるといったようなニュアンスですかね。

〇井庭
 そうですね。企業が大量生産でつくったものをお店で買うということが当然の時代から、そういうものはもちろんあるけれども、自分たちでつくったものも使うという時代になると思います。それは、産業化される前の素朴な社会がもっていた手づくりの時代を彷彿させます。でも、それは単に過去に戻ることではなく、パーソナル・ファブリケーションのような新しいテクノロジーや、パターン・ランゲージのような方法論によって、新しく到来する社会のあり方です。「なつかしい未来」と言ってもよいかもしれません。自分で使うためにつくるとか、身近な人に贈るためにつくるとか、自分がつくったものでどこかの誰かが幸せになる、というようなことが、個人のレベルで起きる。そして、そういう個人がネットワークでつながり、コミュニティを形成する。
 その意味で、パターン・ランゲージや、パーソナル・ファブリケーション、ソーシャル・イノベーションなどの変革によって、消費的・コミュニケーション的な社会から創造的な社会のシフトを加速させると思います。社会のあり方を変えるし、生活のスタイルやモードを変えていくんじゃないかなと思うんですね。

創造社会というのは、多くの人が自分たちの世界や未来をつくっていく社会なのだと思います。大文字の革命(Revolution)のように「社会を変えるんだ」という意識ではなくて、自分の周辺がよりよくなるといいなと思って活動している人たちの創造がたくさん重なり合って全体ができている。そういう社会なのだと思います。
 昔は、地理的な意味での地域社会の中でそういうことが起きていたわけですが、それが産業化・大規模化してきました。今度は逆に、 情報ネットワークがインフラとしてあるがゆえに、空間や時間の隔たりを超えてコラボレーションができるようになっています。そういう環境で、自分たちで自分たちのモノや認識、仕組みがつくられていく社会だと思っているんです。

〇林
 個人がどうバージョンアップするか、ということになるわけですね。

〇井庭
 そうですね。ただ、それが一人一人で分断されているわけではなく、創造という観点でつながっている。コミュニケーションの観点でつながるのではなく、創造の観点でつながっている。それを支えるのがパターン・ランゲージだと思っています。なので、一人一人のバージョンアップは、コミュニティや社会の大きな変化につながると考えられます。

〇林
 そのコミュニティというのが、いわゆる産業界と企業とかというのも一部含むと。 どちらかというともうちょっと大きい単位に影響を与えるような、礎になるだろうということですね、パターン・ランゲージが。

〇井庭
 はい、そうですね。
 実際にやってみると、企業でもパターン・ランゲージをつくる研修や、それを用いた対話ワークショップなどは、かなりの可能性をもっているという手ごたえがあります。現在の組織が抱えている縦割りの克服や暗黙知の継承ということのほかにも、自分たちの言語とつくり、コミュニケーションの連鎖のデザインをするということで、組織の状態はかなり変わると思います。そういうことが積み重なると、企業・組織のあり方が変わるし、地域・コミュニティが変わり、教育が変わり、個人も変わると思います。いまは、まだその変革の初期段階だと思います。
社会システム理論的に言うならば、社会の要素はコミュニケーションなので、社会的なムーブメントにするには、コミュニケーションが絡む必要があります。インターネットは、コミュニケーションを支援する技術だったので、社会的な変革になりました。コンピュータ単体では、計算・処理の支援はできても、そのままではコミュニケーションに関わらないので、社会的なことにはならないのです。
同じように創造というものを一人で「つくる」ものだと考えているだけでは、社会的なことにはつながっていかないでしょう。だからこそ、コラボレーションの支援が不可欠であり、他の人の創造性を誘発するようなプレゼンテーションの支援が重要であり、ともに「つくることによる学び」をする支援が大切になるのです。しかも、それを支援するメディアが、コミュニケーションに関わる言語であるという点が、パターン・ランゲージであることの最大のメリットです。パターン・ランゲージは言語であるがゆえに、コミュニケーションに関係しているがゆえに、社会的なムーブメントにつながり得るのです。つくることとコミュニケーションがセットになってスパイラルアップする。そうすると、後で振り返ってみると社会のバージョンが大きく上がっていたということになるんじゃないかと思います。

以上