タイトル
木の板から新しい3Dをつくっちゃえ
著者 / 話者
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木の板から新しい3Dをつくっちゃえ

Wood Weaver
Fabricating curved objects without moulds or glue
開発:大嶋泰介

FabLabやパーソナルファブリケーション、ということばとともに、工作機械を誰でも使える社会になる、という話を聞くことが増えている。

それによって広がる可能性のひとつは、自分自身の問題を解決するために「ものをつくる」という手段をとれるようになることだ。インドのへき地でどうしてもインターネットを使いたかった少年がWiFiアンテナを作れるようになる。洗濯機のパーツがひとつ壊れたが、型が古くパーツが手に入らなかったので、自らパーツを作って洗濯機を直せるようになる。

それらをさらに進化させる大きな潮流のひとつが、「計算でつくり方をつくる」ということ。今までコンピューターを使って、コンピューターの中のデータについて研究していた人たちが、実際の「もの」も含めた計算をできるようになってきているのだ。

この木のイスは、実はもともと一枚の木の板でそれに特定のパターンで切れ込みを入れることで、ある曲げの形を作っている。しかしコンピューター上では自由に曲面が作れても、実際の素材で試してみると、耐久強度のような材質の制約によって作れない、ということは多いに起こりうる。この形は、デザインするときにあらゆるカーブにかかる力を計算し、実際のある素材で作って、どの程度の力をかけても壊れないのか、をシミュレーションしながらデザインできるCADソフトによって作られたものだ。

データ、素材、発想、用途、すべてが、オープンソースで解放され、だれもが家具を作れる時代がここにある。たとえば、自分のお母さんの背骨にぴったりのロッキングチェアをプレゼントするなんてのも、こういった技術が可能にする新しいモノガタリなのだ。